2023年度全国統一防火標語 「火を消して 不安を消して つなぐ未来」

AEDの使い方

AEDて何?

突然に心臓が止まるのは、心臓がブルブルと細かくふるえる「心室細動」によって生じることが多く、心臓に電気ショックを与え心臓の動きを取り戻すことが重要です。
AED(自動体外式除細動器)は、この電気ショックを行うための機器です。

AEDは誰が使う?

心室細動になってから電気ショックを行うまでの時間が1分遅れるごとに、生存退院のチャンスが7~10%ずつ低下するといわれています。
このため、最近では空港や駅、催し物ホール、デパートなど、いろんな場所にAEDを備え付け、その場に居合わせた人によって、今まで医師や救急車を待っていたのでは助からなかった人々の救命につなげることを目指す動きが広がっています。
皆さんも駅などを通りかかったら設置されているAEDを探してみてください。
万一付近で誰かが突然倒れた場合には、このAEDを使用して救命に役立ててください。

AEDの設置場所

 

 

【新型コロナウイルス感染症流行期の感染防止のために】

 

 いざというとき、応急手当を行う方の感染を防止するため、次の点に気を付けてください。

 

 ① マスクを着用しましょう。

 ② 手袋やビニール袋を着用し、倒れている方に直接触れないようにしましょう。

 ③ 室内等の場合は、換気をしましょう。

 ④ 密にならないよう必要最小限の人員で応急手当をしましょう。

 ⑤ 呼吸の確認をする際、近づきすぎないようにしましょう。

 

 ■ 倒れている人が大人の場合

    胸骨圧迫のみを行い、人工呼吸は行わないでください。

    このときには、相手の口元を布やタオル、マスクなどで覆いましょう。

 

 ■ 倒れている人が子どもの場合

    人工呼吸の訓練を受けており、それを行う意思がある場合は、胸骨圧迫に加えて人工呼吸を行います。

    人工呼吸用マウスピース(一方向弁付)等があれば、活用しましょう。

 ※ 子どもの心停止は、窒息や溺水など呼吸障害を原因とすることが多く、人工呼吸の必要性が高くなります。

 

 〇 AEDの装着と使用については、これまでどおり変更はありません。

AEDを用いた心肺蘇生法

 救急蘇生法の指針2020(市民用) 

【一般社団法人日本救急医療財団ホームページ】
http://qqzaidan.jp/publish/

 

①安全を確認する
 傷病者に近寄る前に周囲の安全を確認します。
②反応(意識)を確認する
 傷病者の耳もとで「大丈夫ですか」又は「もしもし」と大声で呼びかけながら、肩をやさしくたたき、反応があるかないかをみます。 

ポイント
・呼びかけに目を開けるか、何らかの返答又は目的のあるしぐさが無ければ「反応なし」と判断する。
・反応が無い場合や、反応があるかないかの判断に迷う場合、または、わからない場合は、心停止の可能性があります。大きな声で「誰か来て!人が倒れています!」と助けを求めます。

                                                                         

 

③119番通報と協力者への依頼
 協力者が駆けつけたら、「あなたは119番へ通報してください」「あなたはAEDを持ってきてください」と要請します。
 この場合、電話のスピーカー機能などを活用し、119番通報することで通信指令員から口頭指導を受けながら胸骨圧迫を行うことができます。

④呼吸の確認
 傷病者が「普段どおりの呼吸」をしているかどうかを確認します。
 傷病者のそばに座り、10秒以内で傷病者の胸や腹部の上がり下がりを見て、「普段通りの呼吸」をしているか判断します。「普段どおりの呼吸か」どうか判断に迷う場合、また、わからない場合も胸骨圧迫を開始します。

ポイント
・次のいずれかの場合は、「普段どおりの呼吸なし」と判断します。
・胸や腹部の動きがない場合
・約10秒間確認しても呼吸の状態がよくわからない場合
・しゃくりあげるような、途切れ途切れに起きる呼吸がみられる場合

                                                                         

 

胸骨圧迫開始
 傷病者に「普段どおりの呼吸」がない場合、あるいはその判断に自信が持てない場合には、心停止と判断し、直ちに胸骨圧迫を開始します。

                                                                         

※胸骨圧迫位置
 胸の真ん中に手を置き反対の手を重ねて胸骨圧迫します。

ポイント
・両肘をまっすぐに伸ばして手の付け根部分に体重をかけ、胸が約5cm沈むまでしっかり圧迫します。
・1分間に約100~120回のテンポで絶え間なく圧迫します。
・圧迫と圧迫の間は、十分に力を抜き、胸が元の高さに戻るようにします。

                                                                         

 

人工呼吸
 30回の胸骨圧迫が終わったら、直ちに気道を確保し人工呼吸をお願いします。
(1)気道確保(頭部後屈あご先挙上法)
 片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指の2本をあご先に当てて、頭を後ろにのけぞらせ、あご先をあげます。

                                                                         

 

(2)人工呼吸
 気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみます。
 口を大きく開けて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにして、息を1回1秒かけて吹き込み、傷病者の胸が上がるのを確認します。
 いったん口を離し、同じ要領でもう1回吹き込みます。

ポイント
・うまく胸が膨らまない場合でも、吹き込みは2回までとし、すぐに胸骨圧迫に進みます。
・口対口人工呼吸法がためらわれる場合には、すぐに胸骨圧迫に進みます。

(3)心肺蘇生の継続
 胸骨圧迫を30回連続して行った後に人工呼吸を2回行います。
 この胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ(30:2のサイクル)を、救急隊員と交代するまで絶え間なく続けます。

                                                                         

 

AEDの使用
(1)AEDの準備
 AED本体のふたを開け、電源ボタンを押します。(ふたを開けると自動的に電源が入る機種もあります。)
 電源を入れたら、音声メッセージと点滅するランプに従って操作します。

                                                                         

 

 

(2)電極パッドを貼り付ける
 傷病者の衣服を取り除き、胸をはだけます。
 電極パッドを袋から取り出し、電極パッドの1枚を胸の右上(鎖骨の下)、もう1枚を左胸の下(脇の下5~8cm)に空気が入らないように肌に直接貼り付けます。
 肌との間にすき間を作らないよう、しっかりと貼り付けます。

                                                                         

 

※電極パッド
 貼付け位置はイラストで描かれていますので、参考にしてください。
 成人用と小児用の2種類の電極パッドが入っている場合がありますが、成人(8歳以上)の傷病者に小児用の電極パッドを使用してはいけません。
 従来の「小児用パッド・モード」が「未就学児用パッド・モード」へ、「成人用パッド」が「小学生~大人用パッド」へ名称が変更されました。

                                                                         

 

(3)コネクタをAEDに接続する。
 AED本体の差込口に電極パッドのコネクタを差し込みます。
 機種によっては電極パッドがAEDに接続されているものもあります。

                                                                         

 

(4)心電図の解析
 AEDから「体に触れないでください。」などというメッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。「みなさん、離れて!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認してください。
 誰かが傷病者の体に触れていると、振動で心電図の解析がうまく行われない可能性があります。(一部の機種では心電図の解析を始めるために「解析ボタン」を押す必要があります。AEDの音声メッセージに従ってください。)

                                                                         

 

(5)電気ショック
 AEDが電気ショックが必要と解析した場合は、「ショックが必要です」といった音声メッセージとともに、自動的にエネルギーの充電を始めます。
 充電が完了すると「ショックボタンを押してください」といった音声メッセージとともに、ショックボタンが点灯して、充電完了の連続音が出ます。
 誰も傷病者に触れていないことを確認して、ショックボタンを押します。
 ※ショックボタンがないタイプの機種もあります。

                                                                         

 

(6)心肺蘇生法の再開
 電気ショックを行ったら、直ちに胸骨圧迫を再開します。
 以後、2分間おきに心肺蘇生法とAEDの手順をくりかえします。
 「ショックの必要はありません」のメッセージが出たとしても、傷病者が普段どおりの呼吸が無く、動き出さなければ、心臓が止まっていると判断し、「心肺蘇生をやめてもよい」と誤解しないでください。
 ただちに心肺蘇生法を開始してください。

 

救急処置の年齢別比較

救助者が一人の場合

年齢

成人(8歳以上)

小児1歳から8歳未満

乳児(1歳未満)

通報

 反応が無ければ大声で協力者を呼ぶ

 救助者が一人だけの場合、先に2分間の心配蘇生法を実施

 119番通報、AEDの手配

 119番通報

気道確保

 頭部後屈あご先拳上法

心配蘇生法

開始の判断

 普段どおりの息(正常な呼吸)をしていない

人工呼吸
(省略)

 約1秒かけて2回吹き込む・胸が上がるのが見えるまで

 口対口

 口対口鼻

胸骨圧迫

圧迫の位置

 胸の真ん中
 (両乳頭を結ぶ線の真ん中)

 両乳頭を結ぶ線の少し足側

圧迫の方法

 両手で

 両手で(片手でもよい)

 2本指で

圧迫の深さ

 約5cm

 胸の厚みの1/3

圧迫のテンポ

 1分間に約100~120回

胸骨圧迫と
人工呼吸の比

 30:2

AED

装着のタイミング

 到着次第

電極パッド

 成人用パッド 

 小児用パッド(ない場合は成人用)

電気ショック後の対応

 ただちに心肺蘇生を再開(5サイクル2分間)

 

 

 

AED(自動体外式除細動器)の点検をしていますか?

 緊急時にAED(自動体外式除細動器)を正常にご使用いただくために、日ごろからAEDの点検をお願いします。また、バッテリ等には使用期限や寿命があり、設置してから日時が経過している場合には、注意が必要です。いざという時、AEDをきちんと使用できるように、AEDの設置者は、特に以下の点に注意して、日常点検等を実施して下さい。

1 インジケータの確認

 AEDには、AEDが正常かどうかを示すインジケータ(※1)が付いています。
 点検担当者は、日常点検として、このインジケータの表示を日常的に確認・記録しましょう。
 ※1 AEDの状態を確認するためのランプや画面

2 電極パッドやバッテリの交換

 AEDの電極パッドやバッテリには、使用期限や寿命があります。
 AEDを正常に作動させるために、これらの消耗品の交換時期を表示ラベル(※2)で把握し、適切に交換しましょう。
 ※2 各製造販売会社より、購入店等を通じて提供されます。

以上の日常点検や消耗品の交換などについてご不明な点は、お手持ちのAEDの購入店やメーカーにお問い合わせください。
詳しくは、厚生労働省ホームページをご参照ください。